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FWCIとは

FWCIとは?

FWCIとは?

分野の違いを超えて、研究の影響力を正しく評価する指標

1. はじめに

論文の引用数は分野によって大きく異なります。FWCI(Field-Weighted Citation Impact)は、この分野差を補正して、研究の影響力をより公平に評価する指標です。

2. FWCIの定義

\( \text{FWCI} = \frac{\text{実際の被引用数}}{\text{期待される被引用数}} \)

(期待被引用数は、同分野・同出版年・同文献種別の論文に基づく世界平均)

FWCI = 実際の被引用数 ÷ 期待被引用数(同分野・同年・同文献種別)

  • FWCI = 1.00 → 世界平均と同等
  • FWCI = 1.50 → 世界平均の1.5倍引用(高影響)
  • FWCI = 0.75 → 世界平均の75%(やや低影響)

3. 計算に使われるデータ

FWCIの計算はScopusのデータを元に、以下の要素を考慮して行われます。

  • 同じ ASJC(分野分類)コード
  • 同じ 出版年
  • 同じ 文献種別(論文、レビューなど)

4. なぜFWCIが重要か?

FWCIは以下のような場面で活用されています。

  • 分野横断の影響力比較
  • 研究者・部局・大学単位のパフォーマンス評価
  • 研究戦略や国際アピールの基盤指標

5. 活用例

  • 個人:研究者の平均的な論文影響力を可視化
  • 部局・学科:研究成果の客観的指標として活用
  • 大学:国際競争力の指標としてFWCIを強調

6. よくある質問(FAQ)

Q1. 自分のFWCIを知るには?
Scopusの著者プロフィールや、SciValなどのツールで確認可能です。

Q2. FWCIが高ければ「良い研究」?
FWCIは「引用」に基づく定量指標です。研究の質や意義を完全に評価するものではありません。

Q3. 被引用ゼロならFWCIは?
はい、ゼロになります。ただし、出版後の期間が短い場合や分野特性も考慮が必要です。

7. まとめ

FWCIの値 意味
1.0 世界平均と同等
> 1.0 平均以上の引用(高影響)
< 1.0 平均未満の引用

8. FWCIとTop 10%被引用論文率の関係

FWCIは分野・出版年・文献種別を考慮して計算されるため、Top 10%被引用論文(世界の中で上位10%の引用数を持つ論文)の判定にも密接に関係します。

一般的には、FWCIが3.0以上であればTop 10%に入る可能性が高いとされています。もちろん、分野によって閾値にはばらつきがあります。

(正確な閾値はSciValのサイトで確認することができます。ご不明の点があれば、研究連携部門までご連絡ください。)

FWCIの目安 引用インパクトの目安
1.0 世界平均(Top 50%相当)
1.5 Top 25%の可能性あり
3.0 Top 10%の目安
5.0以上 Top 1%相当の可能性あり

Top 10%被引用論文率(Top 10% publications)は、SciValやInCitesなどで機関評価指標として広く使われています。

9. さらに詳しく知るには

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