超伝導から電極触媒へ——出会いが導いた研究の道
電気を使って物質やエネルギーを変換する——そのプロセスを陰で支えるのが「電極触媒」である。水を電気分解して水素を取り出す水電解、二酸化炭素を有用な物質へと変えるCO2電解。エネルギー変換とカーボンニュートラルの実現に直結するこの分野で、活性の高い触媒材料の開発に情熱を注いでいるのが、東北大学多元物質科学研究所の岩瀬和至准教授だ。
岩瀬准教授の原点は、高校時代の化学の授業にある。「実験をよく見せてくれる先生で、いろいろなものを混ぜると色が変わる。それを見て、化学って面白いなと思ったんです。」そう振り返り、化学への興味を胸に東京大学へ進学した。さまざまな分野に関心を寄せる中、学部4年では超伝導の研究室に所属した。修士課程から電気化学の研究室に籍を移し、物質のエネルギー変換というテーマと出会う。ここでのテーマが、電極触媒という現在に至る核となった。
博士課程では、高分子と金属原子を組み合わせた分子触媒の活性を高める研究に取り組んだ。学位取得後は助教として東北大学多元研に着任する。最初に配属されたのは、無機材料を専門とする本間研究室だった。「本間先生が無機材料をやられていたので、そこからより無機材料、より水電解やCO2電解といった、電流値をどんどん出していく反応にシフトしてきた」と振り返る。分子触媒から無機材料へ、そして今取り組む電極触媒の研究へ。一つひとつの出会いが研究の幅を広げ、現在の岩瀬准教授を形作ってきた。2023年からは笘居研究室に所属し、研究を続けている。
