ものづくりの興味から、光を探求する研究者へ
小さい頃から、ものを作ることが好きでした」。そう語る太田竜一准教授の研究者としての原点は、子どもの頃にさかのぼる。理科や算数、数学が好きで、小中学生の頃には電子回路を組み立て、ブロック遊びにも夢中になった。東京都東久留米市で育った太田准教授は、ものづくりへの興味から高等専門学校へ進学。その後、さらに深く学びたいという思いから東京大学へ進み、博士課程まで研究を続けた。
学生時代に取り組んだのは、フォトニック結晶など、人工的な微細構造によって光の性質を制御する研究だった。このとき身につけた微細加工や光を操る技術が、現在の研究にもつながっている。
博士課程修了後はNTTの研究所へ。約10年間、基礎研究に携わった。そこで取り組んだテーマの一つが、物質の機械振動を極限まで冷却し、そのときに現れる量子的な運動を生成・制御する研究だった。
企業での研究生活を経て、2020年に北海道大学へ。「企業にいた頃、学生と一緒に研究する機会がありました。学生が成長していく姿を見るのが面白くて、すごくやりがいを感じたんです」。企業とは異なる立場から、自ら研究の方向を決め、学生とともに研究する。そんな環境を求めてアカデミアへとフィールドを移した。
子どもの頃のものづくりへの興味から、光を操る研究へ。そして企業での研究経験を経て、現在のレーザー冷却の研究へ。研究テーマは発展しながらも、「光や物質の振る舞いを理解し、自らの手で新しいものをつくる」という姿勢は、一貫して現在まで続いている。

